こんにちは。
皆さんはサンチャゴ巡礼をご存じでしょうか。
中世の大昔に、スペインのサンチャゴにキリスト12弟子の一人、聖ヤコブの遺骸が流れ着い
たということで、
大きな聖堂が建てられ、ヨーロッパ各地からそこへ向かって歩くことが盛んになった、という
巡礼路です。当時は盗賊などもおり、命がけの巡礼だったようです。
世界遺産の道です。
私はクリスチャンでもなく無宗教なのですが、昔、何故か?そこの道を一人で歩きました。
ピレネー山脈を越え、スペイン西の町サンチャゴまで、徒歩でスペイン北部の荒野を
780キロで39日かかりました。
その話も、ぽつぽつ書いてみようと思います。
それこそ見えない世界に通じる話も多かったので。
一番最初にその道を知ったのは
シャーリー・マクレーンという女優さんの「カミーノ」という本を読み、そこに
サンチャゴ巡礼が出てくるのです。
あと、「星の巡礼」というパウロ・コエーリョさんの本もその題材ですね。
(今思うと、これはカトリックの司祭であったガイドのステファーノの影響だったのかも
しれません。)
が、その時はもう仕事に燃え尽きて退職しかかっている朦朧とした頭で
「ふーん、こんな道があるんだ・・・でも自分にはとても無理だし、
これは遠いファンタジーだなぁ」
と感じたものでした。本にはとても感銘を受けたのですが。
ところがです!
それらの本を読んで、友だちの誘いでよく行っていたサークル?に
参加したところ、
「私、来月スペインのサンチャゴ巡礼に行くの。」と言う初対面の女性に
出会ったのです。耳を疑いました。
今では日本にもサンチャゴ巡礼のための親切な機関やコミュニティ、
ガイドブックが複数あるようですが、
当時は日本語の情報はたぶんほぼ何もない時代でした。
その時代に、初海外で英語もゼロで貧乏、と言われるその女性が
「行くしかない」と言われるのです。
え???
度肝を抜かれながらも、なぜか連絡先を交換してました。
この間読んだばかりで、本でしか知らない世界に、
実際に飛行機に乗って、来月行く人がいる・・・・。
ファンタジーじゃない。リアルで。
これはどういうこと??
働いてばかりで、家と職場の往復の頭と心に、大きな余白が湧いたのでした。
結局、その巡礼から戻られたほんとに親切なその女性のお話しをうかがい、
献身的なご指導やご紹介のおかげで、何故か私も巡礼に旅立つことができました。
色々リスクをいちいち考えたら、決して行けなかったであろう何の情報もなかった
あんな巡礼路に、何故行けたのか、
その凄い女性のおかげであったことは言うまでもないです。
まったく偉ぶられず、他人に広く献身的で、ピュアでいつも謙虚な方でした。
自分側の未熟さでの不義理と大失礼で、今はもう連絡先も分からない方ですが、
あの方には本当に感謝しています。
巡礼には自分が基本アホなので何も考えず、えーい、行ってしまえ!で
行った気がします。
費用は当時の福祉施設での退職金を使いました。
近年、アーユルヴェーダスクールの卒業式の二次会で向かいに座られた方が
「先月サンチャゴ巡礼を歩いて来たんですよ。」
と言われた時は、もう絶句して、アーユルヴェーダそっちのけで
握手してしまいました。
きょとんとされてるお顔に
「私も歩きました!!」
と言ったらもう盛大にハグでした(笑)しみじみしました。
今は日本での巡礼ガイド機関やガイド本も充実して、
行かれる方もおられるんですね。
巡礼路でスマホ、とか、巡礼路でクレジットカード使用など聞いて
びっくりしました。(笑)
私の行った頃には原始的で、考えられなくて驚きました。
サンチャゴ巡礼の思い出はまた書きますね。
読んで下さった方おられたら、ありがとうございました。
とんびオレンジ。