こんにちは。皆さんは、聖者って会われたことありますか?
私は無宗教なのですが、友だちに言わせると、
通常よりちょっと多い数、聖者に会ったことがあるそうです。
言われて初めて指を折って考えたりしましたが、私の場合は、
人生で切羽詰まると、生きている本物の聖者の元に駆け付けたくなる・・・という
超オバカな単純図式がありまして、その経緯はいつもドタバタで、
とても褒められたものではありません・・・汗。
現代では、アニメや漫画ファンの方等では作者は「神」でしょうし、アイドルもそうだし、
どんな業界でも、尋常ではないクォリティを発揮されている方を、聖者認識されていると思います。
人の熱を帯びたそういうお話を聴くのも好きです。
「推し」をも超えて、皆さんの「神」となるようなお方には、
何か日常からどーんと突き抜けてる性質を感じます。
初めて生きてる聖者と、生で会った体験を書きたいと思います。
若い頃です。私は無宗教で、教養レベルでも、宗教に関してとんでもない無知なのですが、
純粋に、生きた聖者の圧倒的な存在感には、大きな好奇心と畏怖を感じます。
その印象は、「オーラ」どころではありません。大きな海??
ある意味、若くて右も左も分からない人生の最初の段階で
典型的な「ザ・聖者」に
まず会えたことは、今となっては
何者かの、学びのステップの配慮を感じずにはいられません。
私側のその経緯は間違いなくコメディ、ドタバタだったのですが・・・汗。
結局は振られたのですが、結果6年付き合ったずっと好きだった同級生の
男性との交際中、心底疲れたことがありました。
何故か「こんなことは、もうやめよう。」と思いました。
しかし、どうしたらやめられるのか考えた結果、単細胞なので、
「出家しよう!!」と
思いました(笑)(←アホ&若かったので、どうぞお許し下さい・・・。)
って、それもおかしな話で、自分は仏教には興味がなかったのです。←コラ
小学生の頃は靴屋のお兄さんに誘われ、近所の日曜学校に行っていました。
何がいいって、毎週聖書のエピソードのきれいな絵カードがもらえて
それをノートに貼るのが、とても楽しみでした。
おやつやジュースをもらえたり、クリスマス会は楽しいし、賛美歌歌うのも
嫌じゃなかったし、なけなしのお小遣いを廻って来る献金箱に入れてましたが、
子どもには楽しいことばかりでした。
自営業を立ち上げたばかりの両親は必死で、子どもはほったらかしでしたので、
それをいいことに海や山を駆け巡って勉強はせず、
日曜学校に行く子ども、という感じでした。
出家とは言っても、一体誰に聞けばいいのか?
近所のお寺のお坊さんは、いつも豪華な車を乗り回し、家族もいつも
請求されるお布施の額に怒っていたし、そこにはちょっと聞きたくありませんでした(笑)
そこで、本の帯に悟っていると書かれていた方の、御本にある住所に手紙を書きました。
泣きながら(笑)経緯を書いて、どこへ行ったらよいでしょうか?と。
すると、恐縮なことに、丁寧な手書きのお返事がご本人からすぐにあり、
ここへ行きなさい、と教えて下さったのです。ありがたいことでした。
住所を見ると、そこは大都会でした。安い深夜高速バスに乗りました。
早朝に着いて、人やお巡りさんに尋ねながら大都会を歩き廻り、
やっと指定されたお寺に到着しました。
自分の田舎の感覚では、寺はいつも開いているもの、という意識だったため、
躊躇なく「ごめんください。」と言いました。
ドタドタと大きな音を立てて、受付のお坊さんが現れました。
「はい、何でしょう。」
「出家したいのですが、どうしたらよいでしょうか。」
お坊さんの顔つきが変わると、いきなり、
「出家!?何言ってんだ。
よせよせ、出家なんて、やめちまえ!!
帰りなさい!!!」
と、いきなり言われました。
あ然としました。
急に悲しくなって来て、玄関先で「わーん」と泣いていました(笑)
「もー、お嬢ちゃん、俺は今日これから結婚式があるんだよ。
今、寺には俺しかいないし、忙しいんだな。
俺もお嬢さんの話聞いてる場合じゃないんだよ。全然。」
きっと受付坊主だからダメなんだ!!と、思わず思いました。
「じゃあ、私はどうしたらいいんですか!?」
「なんでうちに来たの」
御本の方のご紹介で、とお名前を出し、お手紙を出すと、
お坊さんは急に神妙な顔つきになり、
「よく存じ上げております。」
と襟を正される感じでした。
「座禅はしたことあるの?」
「ありません。」
「それでよく出家とか言うな!!(呆れ顔)
そうだ、じゃあ、俺が座禅をちゃちゃっと教えるから、
それで30分座ってみて、それから考えよう。な!
俺りゃあ、今日忙しいんだ。早く入りなさい。」
「はい。」
中に入り、小さな部屋でほんとにチャチャっと3分くらいで
座禅の仕方を教えると、受付のお坊さんは「また見に来る」
と、走って出て行きました。
習った通りにしましたが、組んだ足がとっても痛く、さっきの対応を思い出したり、
きっと受付坊主だからダメなんだ!!住職さんはどこにいるの??
でも教えてくれるなんて、もしかしてちょっとは優しいのかな、あの受付の・・・
など、考えているうち、意識がもうろうとしてきました。(笑)
ふすまを開けて閉じる音がし、はっと我に返ると、
私は見事に畳に横になって
爆睡していた様でした!!(笑)長距離バスで来たので・・汗。
よだれを拭いて、慌ててもう一回座り直し、澄ましていると、
再度ふすまが開き、さっきのお坊さんが現れました。
「できたか?」
「出来ました。」
自分には恥ずかしかったですが、澄まして言いました。
意外なことに、お坊さんは何も言わず、私を応接室に通しました。
「なんで出家なんて、馬鹿なことを考えたの。」と
話を聴いてくれるではありませんか!!
うれしくて、自分の経緯と気持ちを話しました。また涙が出て来ました。
しかし、そこで、何を話しても
「あー、下らない。」
「あー、ばかばかしい。」
と心底言われ、いちいち頭に来ましたが、
どこかでそれを聞いていると、段々ほんとにこれは
バカバカしいことなのかもしれないのかな??という気にも
少しなって行きました。
「こないだもさ、別れた男が忘れられなくて苦しくて
わんわん泣いて、もう死ぬって言って
うちに駆け込んで来た若い女の子がいてさ、
そいつのネクタイまで抱いて鼻水出してる訳よ。
仕方ないからティッシュ出して話聞いて、
可哀そうだから、うちで面倒みてしばらく掃除とか
来てもらって帰りには俺も座禅も一緒にしてさ、
そしたら3か月後にはケロっとして、
何のことでしたっけ?とか言って就職してさっさと去って行ったよ。
若い女の子って、そんな感じなんだな、これが皆。」
と言われました。
そんな、他人の話を聞かされても・・・とは思いましたが、
この人、案外優しいの?と、びっくりもしました。
「おっと~~~!もう1時間も経ってるじゃないか!!
俺はもう出なきゃいけない。ほんとに出なきゃいけない。
お嬢ちゃんもお家に帰りなさい。」
「すみませんでした。お忙しいところ、ありがとうございました。」
「あ、ちょっと待って。」
しばらく待つと、沢山の本を抱えたお坊さんが。
「出家しようなんて考えないで、これ、全部あげるから、読んでみなさい。
全部俺が書いた本。」
??
「そ、そうなんですが?こんなに沢山?あ、ありがとうございます。」
戸惑いながらも受け取り、寺を出ました。
ありゃ、長くなりました汗。
ここで、一旦終わりますね。まだ聖者は出てきません。
読んで下さった方おられましたら、ありがとうございました。
とんびオレンジ