こんにちは。昨日の話の続きを書きます。
Mさんは言いました。
「コロッセオの夢ってね、
いつも同じで、俺が何かと死ぬ気で闘っているんだ。
そのたんびに俺は、相手は一体誰なのか、はっきり見ようとするんだけど、
いつも何も見えない。ただただひたすら怖いだけなんだ。
びっしょり汗をかいて、飛び起きるだけ。」
『あなたのその相手はライオンです』という言葉は
永遠に言えません。が、
こんなことって・・・ある???とテーブルの下で足は震えていました。
ヒプノという最近の私の「見えない世界」と、
何十年も前からの、彼の現実が、リンクしていた??汗。
「だからさ、やっと大人になった時、夢の意味を知りたくて、
ローマまで行ったよ。コロッセオに行ったんだ、もちろん。だけど
俺、コロッセオに到着した途端にどんどん気分が悪くなってさ、
なんかただただ寒気がして、走って逃げたい、怖いだけなんだ。
やっと写真を撮ったけど、とてもここに長くは居られない、って思って
すぐそこを出て、宿に帰っただけ。もう二度と行きたくなかった。」
Mさんは続けました。
「子供の頃、その怖い夢を見て起きるたび、俺は
”大きくなったら、俺は、誰よりも強い男になるんだ‼️”って
何度も自分に誓ってたな~。」と。
胸が詰まりました。
「もう一つの古代ギリシアの夢はね、コロッセオよりずっと良くてさ、
それも子ども時代から繰り返し見てた。自分は夢でも子どもでさ、
高い丘の上に駆け上がって、自分の住む街を見下ろしてるんだな~~。
何か神殿があって、とても美しい故郷で大好きだった。
ただそれだけなんだけどね。
自分はあの街で育ったんだって気がしてたよ。」
ああ、Mさんが見てたのが幸せな子どもの頃の夢で、よかった。
ほっとして、心底そう思いました。
と、どこかから、Mさんは、違う写真を持って来ました。
「これはね、泊まったギリシアの宿の人が教えてくれたんだけど、
明日の朝、何時何分にここの窓に立ったら、
朝の光で数分間だけ海底の古代遺跡が見えるよ
一日のうちに短いその時間帯にしか見えないんだよ、って。
見て感激したよ〜〜、早く起きて撮ったよ~~。これ。」
そんなことって、ある⁇ 汗。
施術後に、部屋のピアノに目を留め、尋ねると、
Mさんは「下手だけどね。」と少しメロディを弾いてくれました。
帰りにMさんに封筒を渡され中身をみると、先ほどの写真が
全て入っていました。私に?汗。
そんなことがあったしばらく後、日々放心していると突然、
3年も付き合っていた、当時の彼氏の浮気が発覚しました。
全く気付いていなかった〜〜真っ青。
相手の美しい女性と彼氏とのカフェでの3者話し合い、
漫画の様な女の意地の修羅場をいくつか経、
結局はお別れになりました。
平静を装いつつも、自分への自信がだいぶ揺らいでいました。
しばらく落ち込み放心後、仕事だけに取り組み過ぎでぶっ倒れてから
またMさんの施術を予約しました。
が、自分のひどい近況は何も言いませんでした。
Mさんはまた笑顔でラブリーなお手製ケーキを出してくれて、
施術前なのに笑、ゆっくりお茶を飲みました。
施術を含め、そこにいる間、ぽつぽつと彼の人生のお話を聴きました。
聞いたことも見たこともないようなお話しでした。
お父様は小さな息子Mさんを連れて渡米し、
ある大自然の中の建設会社?の創立メンバーになった。
が、Mさんは米国の小学校でいじめられ馴染めず、
いつも大自然が友だちだった。
嵐のあとはお父様とポーカーで負けた方が森に入って、
嵐で死んでしまった野生動物を拾って来、
火を焚いて男同士ワイルドに一緒に肉を食べたりもした。
が、お父様は普段はお忙しく、実質Mさんは鍵っ子だった。
そんな日々、一人ぼっちの少年はインディアンの集落を見つけ、
そこによく遊びに行くようになった。
そこでは誰もが彼を優しく受け入れた。
「○○って知ってる?」とMさんはある有名な部族の名前を言いました。
○○? ネイティブアメリカンの??インディアンの???
「いつも俺、あそこに入り浸っててさ、皆んなから
色んなことを学んだ。じいちゃん、ばあちゃん、お母さん、
お父さん、お兄ちゃん、お姉ちゃん、子ども達、
じいちゃん達。
俺は彼らに育ててもらったようなもんでね。」
でも13歳になった時、お父様が日本に帰ると決められた。
彼らともお別れだった。
「その時お別れで、(部族の)おばばにもらった指輪がこれ。」
見ると、がっしりしたシルバーの土台に、
笛を吹く、その部族固有の人形マークがありました。
そこに大きな水色のターコイズが乗った、
大小の指輪が2つペア。
初めて見る重厚さに感心していると、「これあげる。」
Mさんが、小さな方の指輪を私に渡して来ました。
焦って慌てて断わりましたが、Mさんはただ笑い、
ターコイズの羽根柄のはめられた、シルバーの指輪も一緒にくれました。
(何故その指輪の柄に惹かれてたのが判る??汗)
帰国後、Mさんは日本の高校のインターハイで
レスリングの一部門で全国優勝し、有名なプロレス団体に入った、
世界巡業も何度も行った、とのことでした。
「まさに少年は、強い男になったんだ・・・。」そう思いました。
お父様は鉄の信仰を持たれた立派な方らしく、
帰国後は地方で小さく建設会社を営まれ、
そこに沢山の刑務所から出所された人々を迷わず雇い、
皆に慕われていた、とのこと。
「インターハイの決勝には、坊ちゃん~~~頑張れ~~って
その全員が来ててさ。大幕貼って、もう大騒ぎ、笑」とMさん。
俺は自分のおやじを尊敬している、おやじの何分の1でもいいから、
俺も人の役に立ちたいと思ってさ。
Mさんは明るく言いました。
しばらくして、Mさん自身の、整体の新しいお店がオープンしました。
光と植物に溢れたお店ですぐに繁盛していて、
まったく予約が取れませんでした。が、時々私も
友だちや知り合いにお店を紹介したり、連れて行きました。
その中に、あまり人に見てもらえない、マジシャンの卵の若者などもい、
閉店後のお店で彼のマジックを見、Mさんは心から褒めました。急に
ササっと手持ちの紙で、美しいギリシア女神の様な繊細な切り絵を作ると、
それをブルーの紙に貼って手渡し、彼の前途を祝福しました。
上気した若者が帰った後、Mさんは何気なくトランプを取り出すと
「何でもいいから好きなマークと数字を言って。」
と私に言いました。
??と思い、「ハートの5」と言うと、Mさんは
一発でそのカードを出しました。
え?
そして次々とどんなマークの数字を私が言っても、
淡々と言われたマークの数字を出し続けました。
びっくりして声も出ません。間近で見ても何もわからない。
「こ、これは・・・・ マジックなの???」
「違う。」 Mさんは言いました。
違う???
「・・・俺達には、これは簡単なことなんだよ。」とMさん。
??俺たち? 俺達って?
当時の自分には、色々なことが、ただの謎にしか見えなかったですが、
年月を掛けてゆっくりと、この現象界についての理解?を自分なりにも
地味にコツコツと深めていると、
少しづつなのですが、かつてのバラバラだった謎が、ゆるやかに
自分の中で実感として一つに、明らかになっていく・・・
そんな感触に、今はなって来ています。
不思議なMさんの現実と、私の「見えない世界」がリンクした話は、
まだ続きました。
が、書いてたら長くなったので、
それはまた書きますね。
以上、
もし読んで下さった方おられましたら、ありがとうございます。
とんびオレンジ